[ダイエット小説】僕はこうして痩せました(仮)vol.2
「チャリーン」
僕は目を覚ました。このスマホの着信音で起きたわけではない。トイレに行きたくなって起きたのだ。トイレを済ましスマホの時計を見ると4:14と表示されている。これはあかん。もうちょっと寝な。
「ん?」
スマホの画面に見たことのない人からのメッセージが。
イツァムナーという人からのメッセージである。
「イツァムナー?」
僕は気になりながらも眠かったのでそのまま二度寝した。
二度寝した後、起きたのは10時過ぎ。よく寝た。長時間寝られるということ体力があること。だから僕は体力がある、とは思わず「えっもうこんな時間?!せっかくの休みがぁ」と思った。二階の寝室から下へ降りてます歯みがき。ぼーっとしながら歯磨き粉を歯ブラシにつけて歯を磨いた。ぼーっとしていたので5分以上歯を磨いていた。ハミガキで5分は長い方だ。歯磨き粉を飲み込まないように慎重にうがいをして吐いた。朝のハミガキで歯磨き粉を飲み込んでしまうと朝のスタートが最悪の気分になる。今日はちゃんと洗面台に吐き出した。最悪の気分にならずに朝をスタートすることができた。といってもそこまで大したことではない。ただ単に普通にハミガキをしたというだけだ。
家には誰もいない。オヤジもオカンも外出中だ。オヤジは仕事。オカンはパート。当然朝飯はない。僕の休日の朝食は用意されていない。というのは休み前は必ずお酒を飲みに行くしひどいときは朝方まで飲んでいる。だから大概朝食を食べない。だからオカンも「ご飯は勝手に作ってや」ということになっている。もちろん僕はそれについて不満はない。当然だと思っている。昨日も豚が豚を呼ぶで大量に豚しゃぶを食べた。そしてお酒も大量に飲んだ。いつものパターンだ。でもお腹は空いている。あんなに食べたのに時間がある程度経つとしっかりとお腹が空く。その度に食べたいだけ食べている僕は肥満気味だ。肥満気味と思っているのは僕だけかもしれない。職場のスタッフは確実に太っていると思っているだろう。というより太っている状態が佐々木慶、つまり僕だと認識されているかもしれない。だからスタッフからすれば太っていることを特別なことと捉えていないように思う。そして僕自身も肥満気味ではあるがそれによって何かマイナスがあるという捉え方はしていない。基本的には太っていて何かに困るということはない。ないと思っている。
「うーん、何にしようかな?」と独り言を言いながら冷蔵庫を開けて中を物色した。次に炊飯器を開け中身を確認した。「まぁチャーハンやな、それとラーメンやな」ということでフライパンにサラダ油をひいてしっかりと温めた。次に卵を2個割って溶き卵を作る。まずその溶き卵をフライパンに流し込みさっとかき混ぜ半熟くらいになったらハムを入れて冷や飯を入れた。それをおたまでかき混ぜた。それと同時にお湯を沸かしカップ麺を用意した。カップ麺は大盛りサイズ。冷や飯は2人前くらいの量。お湯が沸いてカップ麺にお湯を注いで蓋をする。そしてチャーハンの仕上げに刻んだたくあんを入れてかき混ぜて最後にごま油、醤油をフライパンの端に垂らして軽く混ぜて出来上がり。皿に盛った。スプーンとお箸を用意して居間に持っていった。テレビをつけカップ麺が出来上がるのを待った。テレビでは自分にとっては興味のない番組が流れていた。昼間のテレビはおもんないなぁと思いながらテレビを眺めて考えたら夜のテレビもおもんないやんって思ってリモコンで番組をザッピングした。そうしているとカップ麺が出来上がりチャーハン、カップ麺、チャーハン、カップ麺を繰り返しながらあっという間に食べ終わった。
そういえばスマホにメッセージが届いていたなぁ。何やろう。
イツァムナー 「お前、痩せなあかんで」
「何や?!」
「痩せなあかん?」
「イツァムナー?」
??が頭の中を駆け巡った。イツァムナーって誰やねん?そんな変な名前の奴知らんぞ。
痩せなあかんぞって何でこいつは僕が太っていることを知ってるねん?!
「チャリーン」
また着信音が。
イツァムナー 「お前、マジで痩せろや。太っているだけで人生損してるで」
えっ?えっ?何?このメッセージ何?
身に覚えがない相手からのメッセージに僕は戸惑った。
戸惑いながらこれは無視やな。どう考えても変や。あったこともない相手にこんなメッセージ送ってくる奴はどう考えてもおかしい。これは変な奴や。無視無視。僕は既読スルーした。
こんなわけわからんメッセージより今日の休日をどう楽しむか?考えよう。
やっぱり夜はムーンライトやな。ムーンライトで飲もう。1ヶ月ほど顔を出してないしなぁ。やっぱり休みの日の夜はお酒や。ムーンライトとは一つ下の後輩山下篤志がやっているバー。僕にとってはすごく居心地の良いバーでお店に行くと何時間でもいられる。ここでの時間が僕にとっては癒しになる。お店はカウンターのみでコの字になっているカウンターでマスターの山下やフタッフの森田知恵ことちえちゃんと話し込む。だからお金は1万円は用意しておく。帰りは午前様なのでタクシー代も必要。タクシー代は2000円ほどではあるが余分にお金は持っておく。35歳の男性が財布に1万円しかないというのもどうかと思うが給料は人並み以下。最近やっと月給が20万円になったところ。最初にヒーリングスペースで働いた頃は大変だった。ひと月働いて6万円だった。これでどう生活したらええねん、って思ったものである。半年後にやっと10万円を超えたくらいだった。オーナーの帯刀徹は実家だからこの給料でもいいだろう、もし嫌だったらやめてくれてもいいよというような気持ちで僕のことを見ていたのかもしれない。ひどい話である。でもこの時の悔しい気持ちが後々僕がオーナーになった時スタッフの気持ちのわかるオーナーになることができたのだから人生というのは何がどう繋がっているのかわからない。
ムーンライトに行くまでに僕は図書館に行った。近所に県立図書館があるのだ。これは本当にありがたいことだ。県立図書館が近所にあるっていうのを利用しない手はない。無料で色々な本を読むことができる。薄給の僕にとって公共機関を利用することは当たり前のことになっていた。いかにしてお金を使わずに色々と手に入れることができるか、これはこれで面白いことである。つまり工夫をするということだ。今の日本は無料で色々なことができる。無駄を省いて何かをやるということはこれはこれで勉強になる。後々お金を手に入れるようになった時にお金にレバレッジを効かすことができる自分になれたのもこの時の経験が大きい。若い時の苦労は買ってでもしろっていう言葉があるがこの言葉は正しいと思う。ただし僕の場合は若い時の苦労ではなくおっさんでの苦労になるのだが。まあそれでも今は人生100年時代。まだまだ人生は長い。将来の自分に活きてくる。まぁそれはまだまだのちの話で今は図書館である。僕は図書館で本を選ぶ時や本屋さんで本を物色している時に幸せを感じる。お、こんな本がある、この本も読みたいなぁ、こっちも面白そうやなぁなど自分の世界が広がっていく感じがある。気づいたら2時間以上経っていたってこともざらにある。古本屋で本を選んでいる時なんか本当に楽しい。予算を1000円とか2000円とか決めて本を選んでいく。小説などは古かろうが安かろうが面白さに代わりはない。100円でこの面白さを味わえることに本当に良い時代、良い場所に生まれたと感じる。10冊買っても1000円。これを電子マネーで払うとポイントまで付いてくる。何ちゅう時代や。もちろん色々と大変なことはあるが実は天国に近い場所にいるのではないかって思うことがある。嫌なこと辛いことはあるがそれでもやっぱり恵まれている。僕の考えはマイナスよりには考えない。プラスよりに考える。あんまりプラスによりすぎるとおめでたい奴になるのだろうが基本的にはプラスよりに考えることが多い。それがいいとか悪いとかではなく僕は自然とそのように考える。だからそれを無理やり矯正しようとする相手が出てきたらとことん戦う。そのための準備もする。この部分では鬼になるかもしれない。この日本では何を考えてもどう行動しようと自由が保証されている。もちろん法律は守らないといけないが自分の考え方や行動を矯正するような輩が現れた時は法律違反を犯してることになるのでとことん向き合う。それに対していは潰しにいく。当たり前の権利である。歴史はそうやって自由を獲得していったのである。歴史に習って僕も活動するだけだ。
結局図書館には1時間ほどいて何も借りずに出てきた。目ぼしい本と出会えなかったこととちょっと気になることを思い出したからである。気になることというのはミニロトの当選結果である。今日の朝刊に当選結果が出ている。もし1等が当たっていたら1000万超えである。そうなったら薄給の僕にとってはこれほど心強いことはない。といっても当たって欲しいと思っているが期待はしていない。期待などして外れていたらショックだからだ。期待はしていないが気にはなる。宝くじなんてそんなんもんだ。期待をするのはなくあくまで事務的に当選結果を見る。やっぱり外れたか、と自分を納得させる。でも買い続けるのだ。当たりもしないのに買い続け虚しい話のネタにする。とにかく僕は当選結果が気になっていた。これだけ気になるということは当たっているのかも。変な理屈をつけて家に戻った。
900円分当たっていた。1000円買って900円当たり。100円のマイナス。でも宝くじでは当たっていると損していてもちょっと嬉しいものなのだ。当たった、それだけで少し満足する。ハズレがプラスマイナスゼロ。だから少額でも当たっていたら気持ち的にはプラス。よし次はもうちょっと上が当たりますようにと思う。でも期待はしないのである。
そうこうしているうちに午後5時を回っていた。僕はムーンライトに電話をかけ
「今日はどんな感じ?空いてる?」と聞いた。
「オッケーです。お待ちしてます。一人でいいですか?」マスターの山下は答えた。
「もちろん一人。劇団ひとり」
「よっしゃー。急いで来てくださいね」
「りょーかい」
ビルの2階にあるムーンライトのドアを開けた。
「まいどっ」
「久しぶりやな」
「1ヶ月ですね」
「ほんまやなぁ」
「忙しそうで」
「そんなことないで。適当やで」
「ハートランド?」
「うん、それとタラタラ」
「よっしゃー」
「あれ、ちえちゃんは?」
「今日は休み。試験前ですわ」
「そうなん。大変やん、一人で」
「今日は暇っぽいんでいいんすよ。あとでカミさんヘルプできます」
「なるほど」
それからハイボール4杯、ウーロンハイ5杯を飲んだ。
帰りは千鳥足になりながらタクシーに乗り記憶も曖昧ながら家に帰った。
酔っ払いながらシャワーを何とか浴びで倒れるように眠った。
「チャリーン」
今週はここまで
では
今日もよっしゃーで
いきましょう!
かげやん
「46歳の僕が11kg以上痩せて思ったこと」
199円。
9000文字程度のボリュームです。
ダイエットの興味のある方はご覧下さい。
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